Conceptualizing the Malay World

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26. Conceptualizing the Malay World: Colonialism and Pan-Malay Identity in Malaya

SODA Naoki.

刊行日:2020年2月28日
出版社:京都大学学術出版会・Trans Pacific Press

 

内容

本書Conceptualizing the Malay World は、マラヤにおける植民地支配がもたらした知識の伝達/土着化と汎マレー・アイデンティティの形成との関係を明らかにしようとする思想史研究である。どのようにして、どの程度まで、どんな目的で、植民地支配を受けた知識人たちは植民地支配者の世界観を受容し、そして作り変えていったのか。こうした疑問に答えるために、本書は、イギリス人やマレー人の著者たちが執筆し、英領マラヤの教員養成カレッジで使われた歴史・地理教科書の記述と、教員養成カレッジの卒業生で汎マレー・ナショナリズムの主唱者となった人物の言説を分析することを通じて、「マレー世界」の概念化の歴史的展開を跡づける。植民地支配によって「マレー」にまつわる新たな知識や概念がマラヤにもたらされた一方、植民地支配を受けた側は、それらを再解釈、改変、換骨奪胎しつつ土着化させていったことが浮き彫りにされるだろう。