娘たちのいない村

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34. 『娘たちのいない村――ヨメ不足の連鎖をめぐる雲南ラフの民族誌』

堀江未央(著)

刊行日:2018年3月
出版社:京都大学学術出版会

内容
一人っ子政策と漢民族特有の男児優遇の結果,中国では男女比が大幅に歪み,その歪みを背景に,少数民族の暮らす地域から文字通り「女性が消えて」いる。正式な求愛や仲介による結婚はもちろん,時に自ら望んで,時に騙されて,未婚の娘や若い妻たちが忽然と姿を消す。漢族男性との豊かな結婚生活の夢,都会への憧れ,貧しさ故の娘達の幻想と幻滅の一方,深刻な嫁不足に悩み,なんとか結婚相手を確保しようと奔走する男たち。彼らに寄り添いながらもこうした現実を冷静に記述することで,女性やマイノリティの他者化を乗り越え,既存研究が取りこぼしてきた女性の送り出し社会の現実を炙り出す。日本にも訪れるかもしれない「女性のいない社会」への警告と準備をも促す意欲作。

自著を語る(Youtube)
https://www.youtube.com/watch?v=DSCnPZLuftY&list=PLYNr5XeQb9WKSord37Qv8AcAADOwR0Im6&index=1